■新開発のアクティブサスペンションシステムをパナメーラ新型から流用
ポルシェは現在、モデルラインナップのBEV化を加速していますが、フラッグシップ・クロスオーバーSUV「カイエンEV」市販型プロトタイプの初スクープに成功しました。
初代カイエンが2003年モデルとしてデビューしたとき、コアなポルシェファンたちは非難の声を上げました。しかし現在は同ブランドのベストセラーモデルの1台として絶対的な地位を築いています。
フォルクスワーゲングループは、ソフトウェア部門「カリアド」の障害でEVモデルの遅れを見せていましたが、ついにマカンEVを発表、休む間もなく兄貴分カイエンEVの導入へ加速しています。
ポルシェ第2のエレクトリックEVとなるカイエンですが、初期プロトタイプのため新型マカンEVのテストミュールに身を包んでいます。
プロトタイプにはより広いトレッドをカバーするフェンダーフレアを装備、サイズの適合してないボンネットフード、完全なダミーパネルを備えるバンパーも確認できることから、一見マカンEVの最強「RS」バージョンかと思われましたが、そのサイズ感からもテストミュールの下にカイエンEVが隠されているのは確かです。
次期型カイエンEVは、マカンEVと同様にフォルクスワーゲングループの「PPE」電動プラットフォームを採用。現行型よりパワーアップされ、より優れたシャシー、より滑らかなインテリアにグレードアップし、内燃カイエン次期型と並行して販売される予定です。
プロトタイプの巨大なオーバーフェンダーは、カイエンがマカンよりもはるかに広いトレッドを持つことを裏付けており、もちろんホイールベースも大幅に長くなりますが、一部のライバルが7人乗りのスペースを提供しているのに対し、カイエンは5シートレイアウトにこだわると予想されています。
3列シートのポルシェにどうしても乗りたいなら、同社がカイエンの上に位置する7人乗り電動SUV(コードネームはK1)を発表する2027年まで待ったほうがいいでしょう。
市販型のスペックに関しては、初期段階では詳細はわかりませんが、約100kWh のリチウムイオンバッテリーパックを積み、最高出力612 psを発揮。ミッドスペックモデルでは最大トルク1,000Nmを発揮し、デュアルモーター全輪駆動システムを装備して登場すると予想されています。また最大270kWの充電をサポートできる800ボルト技術により、充電も迅速になるでしょう。
重量の重さを隠すために、プロトタイプにはエアサスペンションと後輪操舵システムの両方が搭載されているようで、これまでにパナメーラで明らかになった新開発のアクティブサスペンションシステムを流用する可能性もありそうです。
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