これがフォルクスワーゲン史上初のEVワゴン！「ID.7ツアラー」が2024上半期デビューへ

■事実上パサートヴァリアントのEVバージョン

フォルクスワーゲンは2023年4月、EVブランド・IDファミリー初のセダン「ID.7」を発表、2024年内にはその派生ワゴンを投入することを正式発表していますが、その市販型プロトタイプをカメラが捉えました。

フォルクスワーゲンのフルエレクトリックシリーズは、2019年に発売された「ID.3」ハッチバックを皮切りに、サイズや形状が異なるモデル群へと急増しています。これまでSUV、ミニバン、そしてテスラ「モデル3」に匹敵するセダンが存在していますが、新たにワゴン「ID.7ツアラー」が加わります。

ID.7ツアラーは、基本的に「ID.スペースビジョン（ID. SPACE VIZZION）」の市販型であると同時に、パサート新型に変わる電動モデルと考えられます。2024年、新型パサートはワゴンのみが販売され、内燃およびプラグインハイブリッドパワートレインのみが搭載されるため、2台の車は共食いするのではなく、互いに補完し合うはずです。

マイナス40度に達することもあるフィンランド山中で捉えたプロトタイプは、カモフラージュが削がれディテールが見えてきました。低いルーフラインや曲線的なリアクォーターパネルなど、外見はかなりパサート新型と似ていますが、その根幹はまったく異なります。

パサートはパワートレインを共有する新型ティグアンと同様に、「MQB evo」プラットフォームに基づいていますが、ID.7ツアラーはID.3、ID.4、ID.Buzz、アウディ Q4で使用されているのと同じ「MEB」EVプラットフォームを採用しているからです。

フロントエンドは、スリムなヘッドライトや、グリルの光るLEDバーこそセダンと共有していますが、下部バンパーは中央にメッシュのワイドインテーク、コーナーにはスポーティなパネルが配置されるなど、差別化されています。

今後、さらに多くのバージョンが登場することが予想されますが、これまで、ID.7のパワートレイン構成を1つだけ確認しています。それは、最高出力286ps発揮し、後輪に接続されるシングルモーターのセットアップですが、今後デュアルモーターによる全輪駆動バージョンも追加される予定となっています。

また、購入者は77kWhまたは86kWhのバッテリーを選択でき、WLTPでの航続距離は82マイル（615km）および435マイル（700km）となっています。

空力性能はセダンの0.23Cdに対し、0.24Cdと僅かに劣りますが、トランクスペースに関しては、シートを上げた状態で545リットル（19.2立方フィート）、折りたたんだ状態で1,714リットル（60.5立方フィート）となっており、セダンのシートを上げた状態で532リットル（18.8立方フィート）、折りたたんだ状態での1,586リットル（56立方フィート）に勝っています。

パサートとID.7の両方を検討している顧客の購入決定に影響を与える可能性がある要因の1つは、価格に大きな開きがある可能性があることでしょう。ツアラーの上位モデルでは、ドイツでの基本価格が最低でも5万6,995ユーロ（約893万円）から6万ユーロ（約941万円）に跳ね上がると予想されています。

日本市場でも大人気を誇るフォルクスワーゲンブランドが、どのようなEVワゴンを導入するのか注目です。

（APOLLO）