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ホンダの電動二輪車「PCXエレクトリック」のリース販売を開始、首都圏におけるバイクシェアや観光地のレンタルに活用【今日は何の日?11月30日】

■人気の原付二種スクーターPCXをベースに電動化したPCXエレクトリック

2018年にリース販売を始めた PCXエレクトリック
2018年にリース販売を始めた PCXエレクトリック

2018(平成30)年11月30日、ホンダは企業や個人事業主に向けて、原付二種の電動二輪車「PCX ELECTRIC(エレクトリック)」のリース販売を開始しました。

一般ユーザーへの市販化はなく、首都圏のシェアバイクや観光地のレンタルバイクとして活用し、ビジネスではなく電動バイクの市場での有用性を見極めるのが目的でした。


●ホンダの電動バイクの歴史

ホンダ初の電動バイクは、29年前の1994年に発売された原付一種の電動バイク「CUV-ES」です。200台が官公庁や企業などに限定的にリース販売されました。

2010年に登場した同じく原付一種「EV Neo」は、スーパーカブ風のデザインで価格は40万~50万円台。リチウムイオン電池を搭載し、CUV-ES同様に限定的なリース販売がされました。

一方、リースでなく一般ユーザーに販売した日本初の電動バイクは、2002年にヤマハ発動機から発売された原付一種「パッソル」です。パッソルは、最高速度30km/h・満充電時の走行距離43km。短距離のミニマムコミューターとして、人気を獲得しました。

その後、パッソルに追従するように、原付一種電動バイクはバイクメーカーだけでなく、ベンチャー企業などから折りたたみ電動バイクや女性でも安心して乗れる電動スクーターなど、様々なタイプが市場に普及しています。

ちなみに、電動バイクの区分は、モーターの定格出力(W)によって以下のように区分けされます。

・モーター出力600W(0.6kW)以下 ⇒ 原付一種(排気量50cc以下相当)、法定速度30km/h
・モーター出力600W超~1kW以下 ⇒ 原付二種(排気量50cc超~125cc以下相当)
・モーター出力1kW超~20kW以下 ⇒ 普通二輪(排気量125cc超~400c以下相当)
・モーター出力20kW超 ⇒ 大型二輪(排気量400cc超相当)

●原付二種電動バイクとして登場したPCXエレクトリック

PCXエレクトリックは、家庭用100V電源で6時間で充電可能
PCXエレクトリックは、家庭用100V電源で6時間で充電可能

PCXエレクトリックは、スタイリッシュな外観と優れた環境性能で人気を獲得している原付二種のPCXに、コンパクトな電動ユニットを搭載した電動スクーター。原付二種なので、一種にはないスピードと力強い加速が魅力です。

EVシステムの駆動電源は、リチウムイオン電池で構成された電圧48Vのモバイルパワーパック2個を直列に接続した96V系電源です。エネルギー変換効率に優れたIPM(磁石埋め込み)ブラシレスモーターは、最高出力4.2kW(定格出力0.98kW)/最大トルク18Nmを発揮しました。

48Vリチウムイオン電池のモバイルパワーパック2個を直列に接続
48Vリチウムイオン電池のモバイルパワーパック2個を直列に接続

モバイルパワーパックへの外部充電は、車体に搭載した状態で家庭用100V電源によって約6時間、満充電時の航続距離は41km(60km/h定地走行時)で、遠距離移動には向きませんが、通勤などのコミューターとしては十分です。

また、バネ下に重たいエンジン+トランスミッションを持たないうえに、特別なフレーム構造を採用しているため、乗り心地はベースのPCXより数段優れ、電動スクーターの魅力のひとつでもあります。

●ホンダの電動化戦略で一旦休止したPCXエレクトリックも復活か

PCXエレクトリックは、2022年5月に生産を終了しました。ただし、ホンダが電動バイクに対して後ろ向きだったわけではありません。

PCXエレクトリックのEVシステムの構成
PCXエレクトリックのEVシステムの構成

ホンダは2022年9月に、2040年代における二輪車のカーボンニュートラルを目指した“電動化戦略”を発表しました。

段階的に電動二輪車の販売比率を拡大し、ガソリン車の改良によるCO2削減と合わせて、2040年代にカーボンニュートラルの実現を目指すもの。具体的には、2025年までに10種類以上の電動二輪車を投入する計画です。

この中で、パーソナル(個人向け)のコミューターEVを2024~2025年までに2機種展開する計画であり、2023年8月には初の一般向け原付一種電動スクーターの「EM1e:」を発売、2024年春には原付二種の電動モデルを発売するとされ、これがPCX-エレクトリックの後継になる可能性があります。


バイクの排ガス規制も厳しさを増し、またカーボンニュートラルに対応するためにも、クルマと同様に電動化に大きく舵を切ることが必須、となる可能性があります。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン



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