■人気のRVRにワイルドなRVRスポーツギア追加
1992（平成4）年9月29日、三菱自動車のRVRに「RVRスポーツギア」が追加されました。アウトドアが楽しめるライトデューティRVとして人気を獲得したRVRをパワーアップして、よりスポーティかつオフロード性を高めたのがスポーツギアです。
●コンパクトながら斬新な室内レイアウトで人気を集めたRVR
日本では1980年代後半～1990年代に空前のRVブームが起こりました。RVは、キャンプや様々なレジャーに使える多目的な車を指し、広義ではオフローダーやステーションワゴン、ミニバンなどを含みます。
三菱のRVRは、家族でアウトドアが楽しめるライトデューティRVとしてデビュー。2列シートの後席にスライドシートを装備。300mmのスライド幅を持つリアシートによって、リムジンのような広い後席スペースが確保できることが、最大のアピールポイントでした。
パワートレインは、1.8L＆2.0L直4 SOHCと2.0L直4ディーゼルターボの3機種と、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式はVCU（ビスカスカップリング）付センターデフ式のフルタイム4WDとFFが設定されました。
高性能エンジンとフルタイム4WDによって、オフロードでも街乗りでも快適に走行できるコンパクトなRVRは、RVの中でも異彩を放ちアウトドア派から絶大な人気を獲得したのです。
●オフロード性を高めたRVRスポーギア登場
人気のRVRデビューから約1年半後、エンジンをパワーアップしてよりスポーティかつオフロード性を高めたRVRスポーツギアが登場しました。
RVRよりも地上高を高め、フロントにはカンガルーバーと大型フォグランプ、サイドにルーフフレーム、リアにはSUV定番のスペアタイヤを装備してワイルドさをアピール。ベースのRVR同様、乗り降りに便利な片側スライドドア、5人が楽に座れる室内空間、特に後席は他を圧倒するスペースと広い荷室空間が確保されました。
エンジンは、2.0L直4ディーゼルターボにインタークーラーを装着してパワーアップ、同時にガソリンの2.0 DOHC インタークーラー付きターボが追加。トランスミッションと駆動方式は、RVRのシステムを踏襲し、標準的な2.0Lガソリン車（5速MT／4WD）の価格は211.1万円。ちなみに当時の大卒の初任給は、18万円（現在は、23万円）程度でした。
オフロード性を高めたRVRスポーツギアの登場によって、RVRの人気はさらに加速しました。
●RVブームをけん引した三菱が放った3台のRV
当時の三菱自動車は、個性的なRVモデルを投入し、RVブームを牽引しました。
その代表的な3つのモデルが、2代目「パジェロ（1991年～）」「デリカスペースギア（1994年～）」、そして最後がコンパクトながらスペースユーティリティに優れたRVRです。
パジェロは、パリダカ・ラリーの優勝などで日本中にパジェロブームを起こし、RVブームをけん引した本格4WDのSUV。デリカスペースギアは、オフロードでの優れた走破性を合わせ持つ唯一無二の本格4WDミニバン、現在も人気のデリカD：5が存在感を示しています。
RVRは、2010年に3代目がコンパクトSUVとなって復活しましたが、初代RVRのようなヒットにはなりませんでした。最近、次期4代目RVRについてのいろいろな噂が流れています。初代の人気モデルのように、RVRが再び輝くことを期待したいものです。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
（Mr.ソラン）
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