■電気自動車でスポーティさをアピールするためにリーフNISMO登場
2018(平成30)年7月31日、EVのパイオニアとして人気の日産自動車「リーフ」に、スポーツモデルの「リーフNISMO」がデビューしました。
NISMOシリーズは、2013年に登場した第1弾「ジュークNISMO」に始まり、リーフNISMOは第7弾になります。日産のラインナップに、スポーティさをアピールするEVが加わったのです。
●NISMOシリーズは、NISMOが手掛けるチューンナップコンプリートカー
NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は、1984年に日産のワークスチームのひとつであった「大森ワークス」を子会社化して設立。日産のワークスチームとして、国内外のモータースポーツに参戦し、数々のタイトルを獲得しました。
また、そのレースで培った技術とノウハウを生かして、市販用のチューニングパーツを開発・販売し、さらに市販車をチューンナップしたコンプリートカーを、NISMOシリーズとして販売しています。
NISMOシリーズの第1弾は、2013年に登場した「ジュークNISMO」であり、その後「マーチNISMO」、「ノートNISMO」、「フェアレディZ NISMO」、「GT-R NISMO」、「セレナNISMO」に続き、リーフNISMOが第7弾になります。
●EVのパイオニアとして進化を続ける日産リーフ
本格的な量産電気自動車のリーフは、実用性を重視した5人乗りのハッチバックスタイルで、フロント部に最高出力80kW/最大トルク280Nmを発生する駆動モーターを搭載したFF駆動です。
床下には、容量24kWhのラミネート型リチウムイオン電池を搭載して、EVらしいレスポンスに優れた走りと満充電時の航続距離200km(JC08モード)を達成。車両価格は376万円ですが、政府のEV購入補助金制度で約77万円の補助があるため、実質的には299万円程度の購入価格になります。
当初は、航続距離が200kmでは短いという声が聞かれましたが、その後徐々に改良を加え、2017年10月の2代目「リーフ」では、バッテリー容量が40kWに増強されて航続距離は400km(JC08モード)/322km(WLTCモード)まで向上しています。
●環境にやさしいEVとスポーツスピリットが合体したリーフNISMO
リーフNISMOは、2代目リーフをベースに専用のレイヤードダブルウィングやフロントグリル、前後バンパー、ドアミラー、18インチホイール、専用のハイグリップタイヤ、サスペンションなどを装備し、また走行に関する各種制御をチューンナップするなどして、EVのリーフの走りに一層の磨きをかけたのです。
電池容量はベースと同じ40kWhで、最高出力110kW/最大トルク320Nm、航続距離400km(JC08モード)もベースと同じです。車両価格は、グレードSの315万円より約90万円高い403.3万円に設定されました。
リーフの持つ優れた環境性能と安全技術に、NISMOのスポーツスピリットを注入したリーフNISMO。EVは、“おとなしくて、つまらない”という一部のネガティブな意見を一掃するかもしれません。
●デビュー10年でのリーフの進化
日産は、2019年にリーフの性能と航続距離を向上させた「リーフe+」を追加。新しい電動パワーユニットは、バッテリー容量を40kWhから60kWh に増大し、同時にモーター出力もパワーアップ。その結果、1回のフル充電による航続距離は、322kmから458km(WLTCモード)まで向上しました。
リーフe+は初代リーフと比べると、バッテリー容量が2.5(60/24)倍、航続距離は2.8倍(運転モードが異なるので推定)に延びています。航続距離は、概ねバッテリー容量に比例しますが、この約10年の間に、限られた車体の床下に収められているバッテリー自体のサイズが半分程度にコンパクト化し、バッテリーのコストも大幅に下がっていることが分かります。
2022年には、新型の軽EV「サクラ」が発売されました。電池容量は、20kWhで航続距離は180km(WLTCモード)、価格は259.4万円(Xグレード)/304.0万円(Gグレード)です。購入時に利用できる補助金を差し引くと、エントリーモデルでは200万円を切り、決して高くありません。EVの課題である価格や航続距離は着実に改善されていますね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)
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