■75年前にランドローバーの第1弾「ランドローバー・シリーズ1」が公開
1948年(昭和23)年4月30日、ローバー社の「ランドローバー・シリーズ1」がオランダのアムステルダム・モーターショーで初公開されました。
その後、ローバー社はブリティッシュレイランドとの合併などを経て、1970年に名車レンジローバーが誕生し、1978年に正式にランドローバー社が設立されたのです。
●ランドローバー・シリーズ1から始まったランドローバー
ランドローバーの原点は、第二次世界大戦後にローバー社が製造したランドローバー・シリーズ1であり、1948年のこの日、オランダで開催されたアムステルダム・モーターショーで初公開されたのです。
中型自動車を中心に製造していた、老舗の英国自動車メーカーのローバー社は、ジープスタイルの4WD車の開発に着手。計画したのは、ローバー社の技術部長のモーリス・ウィルクス、その計画を受けて推進したのは彼の兄であり、同社の重役であったスペンサー・ウィルクスでした。
頑強なラダーフレームの上にアルミ製のオープンボディを載せ、パートタイム4WDを組み込んだシリーズ1は、モーターショーで公開後、同年7月に販売を開始。優れたオフロード性能によって、英国軍や特殊部隊が採用したこともあり、英国だけでなく世界的にも注目されました。
●レンジローバーのヒットとパリダカの成功でブランドが確立
ローバー社は、1968年に英国国営会社のブリティッシュレイランドに合併され、ランドローバーというブランド(部門)を設立します。1970年、ランドローバーブランドから高いオフロード性能と、高級車並みの快適性を備えたフルタイム4WDのSUV「レンジローバー」を発売。特に富裕層から人気を獲得して、これを機にランドローバーは、高級オフロード車メーカーとして歩み始めました。
1978年には、ブリティッシュ・エアロスペースの子会社として独立して、ランドローバー社が設立。ランドローバーが、英国内だけでなく世界中にその名を轟かせたのは、1979年の第1回パリ・ダカールラリーの優勝です。この成功で、ランドローバーというブランドとレンジローバーという高級SUVが世界中に広まり、現在のランドローバーブランドが確立されたのです。
●紆余曲折を経て、現在はタタグループの傘下に
その後も、「レンジローバーイヴォーク」、「デイスカバリー」など多くのヒットモデルを世に送り出しますが、ランドローバー社自体は、幾度となく経営不振に陥り、親会社がコロコロ変わります。
1978年にブリティッシュ・エアロスペースの傘下になった後も、1990年代にはBMWの傘下になり、2000年代初めには、ランドローバーはフォードへ売却されてしまいます。そして、2008年からはジャガーとともにインドのタタ・モーターズの傘下に収まりました。
75年前にランドローバー・シリーズ1からスタートし、現在多くの高級オフローダーをラインナップしているランドローバー。長い歴史の中で紆余曲折がありながら、“砂漠のロールスロイス”と言われた高級感漂うSUVとしての存在感は、現在も不動です。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)
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