■ルノーが開発・生産を担当する日産の新型EV
ルノー・日産・三菱自動車アライアンスが、電動化を軸としたロードマップを発表しました。
具体的には2030年までにアライアンスで35車種の新型EV(電気自動車)を投入するということです。
開発や調達コストを抑えるために、各社でプラットフォームを共通化するというのがアライアンスの基本戦略といえますが、EV用プラットフォームは5種類を用意するということも明らかになりました。
その5種類とは、グローバル市場での最小サイズといえるAセグメント級のもの、日本専用となる軽EV用のもの、カングーなどのベースとなる小型商用車用、そして中心ともなるのが日産アリアやルノー・メガーヌE-Techエレクトリックの土台となる「CMF-EV」と呼ばれるプラットフォーム、さらにBセグメント級のCMF-BEVプラットフォームも用意するという発表がなされました。
そのCMF-BEVプラットフォームを元に生まれる、日産の新型EVについての情報も発信されています。
欧州で販売されているマイクラ(かつてのマーチ)の後継と位置づけられているモデルで、新型EVのイメージスケッチとティザームービーが公開されました。
●歴代マーチのエッセンスを抽出したエクステリア
かつてのマイクラは、日本で親しまれているマーチの欧州仕様といった存在でしたが、現行型はむしろノートの弟分といったイメージのコンパクトカーに生まれ変わっています。
ですが、日産が公開した画像や動画で確認する限り、マイクラ後継の小型EVはマーチのイメージを受け継ぎ、ヘリテージを感じさせるエクステリアを与えられるようです。
シグネチャーによって丸目ヘッドライトを表現した顔つきは、あの大ヒット作であるK12マーチを思い起こさせるものですし、小型ながらスタンスの効いたシルエットはK11マーチを連想させます。
●兄弟車は復活するルノーサンク
なお、アライアンスで活用するCMF-BEVプラットフォームを活用する小型EVとして、すでにルノーはR5(ルノーサンク)を現代に蘇らせることを発表しています。
ティザームービーにおいてもR5につづいて、日産の小型EVが登場するという流れになっています。
基本メカニズムを共有する兄弟車といっても、十分に各社のヘリテージや個性を活かしたモデルが生み出されるということをアピールしているといえそうです。
もっとも、動画で感じられる範囲でいえば、車体骨格の重要なファクターであるルーフやピラーの形状は、ルノーと日産で共通しているようです。基本的には、フロントマスクやリヤ周りの意匠を完全に変えた兄弟車という風に見えます。
すでにステランティスは、FIAT500を外観イメージそのままに電気自動車としてフルモデルチェンジさせています。ルノーサンクであったり、K12マーチであったり、過去の名車をEVでリメイクするという戦略は、欧州市場ではトレンドにあっているといえそうです。
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