■限定モデルRS3スポーツバックを50台限定でオンライン販売
アウディジャパンは2021年スーパーGT最終戦の予選終了後(2021年11月17日・夕刻)の富士スピードウェイにて、新型アウディRS3の発表を行いました。新型アウディRS3は5ドアのスポーツバックとセダンの2つの車型で、スポーツバックは3世代目、セダンは2世代目のRS3となります。
搭載されるエンジンは2.5リットルの直列5気筒ガソリン直噴ターボエンジンで、最高出力は先代モデルと同一の400馬力、最大トルクは20Nm向上の500Nmとなります。駆動方式はもちろんフルタイム4WDのクワトロで、ミッションはデュアルクラッチ式のSトロニックが組み合わされます。
今回のフルモデルチェンジで最大の特徴といえるのが、クワトロシステムに新たに採用されたRSトルクスプリッターと呼ばれるシステムです。
クワトロシステムでは電子制御の油圧多板クラッチによって前後アクスルにトルクを可変配分していますが、RSトルクスプリッターはリヤアクスルの左右のドライブシャフトそれぞれに電子制御の湿式多板クラッチを装着することで、左右後輪のトルク配分を自在にコントロールすることができるようなります。
通常のコーナリングでイン側がリフトし駆動力が足りない際にはアウト側にトルク配分をすることもできますし、巡航時にはクラッチを解放してフロントタイヤのみを駆動することで燃費向上も図られています。なお、通常のデファレンシャルギヤは装備されません。
そしてRSトルクスプリッターがもっともその機能を発揮するのが、「RSパフォーマンス」と「RSトルクリヤ」という2つの走行モードです。
「RSパフォーマンス」は、セミスリックタイヤとの組み合わせを前提にしたモードで、サーキットにおいて最高のパフォーマンスを発揮するようになっているモードです。0-100km/hの加速タイムは3.8秒と俊敏で、ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは、コンパクトクラスのレコードタイムとなる7分40秒748を記録したと発表されています。
一方の「RSトルクリヤ」モードは、リヤアクスルに配分される駆動トルクのすべてをリヤアウト側に振り分けるというドリフト走行をねらったモード。今回の発表会ではアウディ社のエンジニアがビデオにてプレゼンテーションを行いましたが、そのなかで「日本はドリフトの元祖となる国なので、とくにこのモードを楽しんでもらえるでしょう」とも語りました。
また、今回の発表会にはアウディジャパンの社長であるマティアス・シェーパース氏も出席。RSシリーズが日本で非常に売れていることを強調しました。
来期に半導体不足の心配がなくなれば、RSシリーズ全体で800台の販売は確実、そのなかでもっと売れることになるのが、このRS3となることは間違いないとのスピーチを行いました。
標準モデルとなるRS3はスポーツバックが799万円、セダンが818万円のプライスとなります。
また、今回のRS3発売を記念してRS3スポーツバック1stエディションというネーミングの特別仕様車が50台限定で販売されます。
RS3スポーツバックをベースに、マトリクスLEDヘッドライト、ダイナミックターンインディケーター(フロント/リヤ)、ブラックスタイリングパッケージ、カラードブレーキキャリパーレッド、パノラマサンルーフ、Bang&Olufsen3Dサウンドシステムを搭載。さらにRSスポーツエキゾーストシステム、RSダンピングコントロールサスペンションなどのオプションを搭載。
特別装備として、5スポークYデザインブラックグラフィックプリント19インチホイール、RSデザインパッケージエクステンデッドレッド、3ゾーンオートマチックコンディショナーを搭載。ボディカラーはカタログモデルには存在しないケモラグレーが採用されます。RS3スポーツバック1stエディションの価格は907万円で、限定予約はオンラインのみ。予約数を上まわった場合は、抽選となります。
なお、アウディジャパンがオンライン予約を行うのは今回のRS3スポーツバック1stエディションが初となるとのことです。
(文・写真:諸星 陽一)
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