■将来的には、約12週間ごとにユーザーに無償のソフトウェアを用意
フォルクスワーゲンは、欧州などで無線通信の「Over the Air」を使ったアップデートに注力するとアナウンスしています。テスラが先行した無線通信を使ったソフトウェアアップデートは、世界中で新たなトレンドになっています。
EVの「ID.3」「ID.4」「ID.4 GTX」の無償アップデートを開始し、最初のアップデートでは自車周囲の検知の最適化、インフォテインメントシステムの直感的な操作性、そのほかの新機能が利用できるようになります。フォルクスワーゲンは、会員サイトの登録車向けのテストを実施してきました。今回の「ID. Software 2.3」では、新機能の追加と既存機能の最適化を実施。
フォルクスワーゲンのラルフ・ブランドシュテッターCEOは、「Over-the-Airのアップデートが完全に利用できるようになったことで、フォルクスワーゲンの革新的な能力が明らかになり、全く新しいデジタルな顧客体験の基盤が形成されました」とコメント。
将来的には、約12週間ごとにユーザーに無償のソフトウェアを提供することで、車両を最新の状態に保ち、満足度を向上させることを目指しています。ユーザーにとっては、必要なときに必要なだけ注文できるサービスや機能となります。
具体化には、「トラベル・アシスト」や長時間の走行時のバッテリー性能の向上、将来的な自動運転などが考えられるそう。ほかにも、省エネ運転や車間距離制御システムの「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」の走行時に、ドライバーを直感的にサポートする情報を提供するようになるそう。
また、マルチファンクションカメラの画像処理が改善され、二輪車も含めた他車(他者)をより迅速に認識できるようになるとしています。さらに、「ダイナミック・メインビーム・コントロール」を装着すると、ヘッドライトをより正確に制御できるようになります。中央のインフォテインメントディスプレイのグラフィックは、より鮮明になり、より直感的な操作が可能になります。
フォルクスワーゲンでは、今後数年間で数億円の追加収益が得られる可能性があると見越しているそうです。日本でも今後は「Over the Air」を使ったソフトウェアアップデートが本格化するはずです。
(塚田勝弘)
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