■高速道路と自動車専用道路の違いとは?
高速道路と聞くと「日本全国に張り巡らされている自動車だけが走ることができる道路」というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、高速道路と名の付く道路はとても少ないのです。この記事では高速道路と自動車専用道路の違いなどを中心に紹介していきます。
●日本の「高速道路」はたったの4路線のみ!
会話の中で「高速道路」や「高速」と表現することはあっても、通称中央道と呼ばれる「中央自動車道」だったり、東北道と呼ばれる「東北自動車道」だったりと「〇〇自動車道」が多くて、「〇〇高速道路」と呼ばれる道路は意外と走っていないかもと思うことはありませんか?
それもそのはず、「〇〇高速道路」と呼べる道路は実は次の4つだけなのです。
・東名高速道路
・新東名高速道路
・名神高速道路
・新名神高速道路
「あれ? 首都高は首都高速道路じゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、ルールに照らし合わせてみると首都高は高速道路と言えない存在となってくるのです。
●高速道路と呼ばれる道の種類
基本的に我々が普段「高速道路」と表現する道路は、基本的に「高速自動車国道」や「一般国道自動車専用道路」などの「高規格幹線道路」のことを指します。高規格幹線道路は自動車が高速でスムーズに走れるように整備された道路のことで、基本的に信号や交差点などがなく、カーブも緩やかな造りとなっています。
高速自動車国道は全国展開されているもので、経済や文化の連絡上、重要な地域を結ぶ役割を担わされているため、そのルートは政令により定められています。
なお、基本的に高速自動車国道は、最高速度が100km/h、最低速度が50km/hに規定されていて、高い速度で走行しても安全な造りとなっているのです(最高速度120km/hの新東名高速道路などの例外あり)。また、休憩施設であるサービスエリアが約50km間隔、パーキングエリアが約15km間隔を目安に設置されているというのも特徴と言えます。
これらの条件に合致している代表的な例は、首都圏を中心とした交通網ですと、中央自動車道や関越自動車道、地方ですと九州自動車道や東北自動車道などが挙げられるでしょう。
実は高速自動車国道は「〇〇自動車道」と名付けるのが一般的です。これが普段「高速道路」と表現する道が「〇〇自動車道」であることが多い理由と言えます。
しかしながら、まだ高規格幹線道路の存在が珍しかった昭和40年代に開通した東名と名神は、建設当時から馴染みのある「~高速道路」という呼び名が定着したため、正式名称に高速道路を使用したと言われています。
対して、一般国道自動車専用道路はもっとローカルなもので、各地域において交通渋滞などの解消を図るために造られます。これには首都高速道路や名古屋高速道路などの各主要都市の「都市高速」も該当します。一般国道自動車専用道路は原則として最高速度は60km/hとされていて、最低速度はありません。
そのため、高速自動車国道と比べると、高い速度で走行することを考えた造りとなっていません。
このような点が「都市高速は高速自動車と言えない」というポイントとも言えるでしょう。
●走る時に違いをチェックしてみよう!
似ているようで異なる「高速自動車国道」と「一般国道自動車専用道路」。双方の違いが分かれば、「なんでこの高速は制限速度が低いのだろう?」や「なんでこの高速にはパーキングエリアがないの?」という疑問が解決するはずです。
今度、高速道路を走る時はそんな違いをチェックしながら走ってみてはいかがでしょうか?
(文・写真:西川 昇吾)
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