■Aクラス(ハッチバック)やBクラスなどで好評のエンジン横置き対応ディーゼルエンジン
メルセデス・ベンツAクラスセダンは、アウディA3セダンと共に貴重なプレミアムコンパクトに分類されるモデルです。2020年2月27日、登場時に設定されていなかった2.0Lディーゼルエンジンの「A 200 d セダン」が追加されました。
同エンジンは、すでに Cクラスや Eクラスで実績があり、優れた燃費性能を誇る直列4気筒のクリーンディーゼルエンジン「OM654」をベースにして、横置きに対応したエンジン。従来の排出ガス処理システムに加えて、アンモニアスリップ触媒(ASC)を備えるSCR触媒が増設されています。
欧州で今年から施行予定のEURO6d規制や、実路走行試験のステージ2RDE規制に前もって適合する環境性能が確認されています。すでに、ハッチバックのAクラス、Bクラス、 CLA などに搭載されていて好評を得ているそう。
今回追加された「A 200 d セダン」に搭載される「OM654q」は、最高出力150PS(110kW)、最大トルク320Nmと、コンパクトボディを力強く加速させる性能を確保しながら、低振動で高い静粛性を両立。
同エンジンは、シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして、全長をコンパクトにまとめたシリンダーブロックが採用され、軽量化のためにアルミニウム製になっています。一方、ピストンはスチール製で、熱膨張率の異なる素材を採用することで40%以上摩擦を低減しているそう。また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工が施されています。
ターボには、可変タービンジオメトリーが採用されていて、低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速が可能になるそう。また、ピエゾインジェクターを使ったコモンレールダイレクトインジェクションシステムは 最大圧力2,050barまで高められています。また、冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み合わせた「マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)」が搭載されていて、燃焼の最適化が図られ、後処理を行う前の段階で窒素酸化物を低減することが可能になっています。
排出ガスの浄化システムは、エンジンに近接して搭載されたことで、排出ガスの温度低下による浄化効率の低下を防ぐことができるようになったそう。ターボから出た排出ガスは、まず酸化触媒へ送られた後、AdBlueが添加されます。下流のsDPF(DPF with SCR Coating : 選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)で粒子状物質の捕集と窒素酸化物の低減が行われた後、SCR触媒でさらに 窒素酸化物の処理を実施。
その後、新しく追加されたSCR触媒でさらに窒素酸化物の低減を行うと同時に、余剰のアンモニアを処理するアンモニアスリップ触媒(ASC) を備えることで、運転状況が急激に変化した場合にもアンモニアが外気中に放出されることを防ぐことが可能。その結果、常に十分な量のAdBlueを噴霧することが可能になり、窒素酸化物の処理能力を高めることに成功しており、メルセデス・ベンツは、日本市場で販売される乗用車では他に類を見ない排出ガス処理システムとしています。
なお、組み合わされるトランスミッションは、8速デュアルクラッチトランスミッションの「8G-DCT」で、様々な状況で最適なギアを選択することで、環境性能や動力性能に貢献。「A 200 d セダン」の価格は、4,200,000円です。
(塚田勝弘)
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