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ライバルを結びつける「MaaS」とは? ソフトバンク、トヨタが設立した「モネ・テクノロジーズ」にホンダが参加

ソフトバンクとトヨタ自動車が設立した「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)」は、トヨタ側からソフトバンクに持ちかけて実現したそうで、ライドシェア業界などに積極的に出資しているソフトバンクグループの存在感を改めて示したことになります。

2019年3月28日に、モネ・テクノロジーズにホンダが出資すると発表されました。トヨタとホンダというライバルが手を組む必要があるほど、未来のモビリティのあり方、「移動すること」が新時代に移行することへの対応の難しさが感じられます。

新しい移動サービスシステムを示すキーワードとして「MaaS(マース)」があります。「Mobility as a Service」の略で、世界中の多くの国や企業がかなりのスピード感ですでに動いています。フィンランドなどの「MaaS」先進国と比べると、日本はまだ周回遅れという状況かもしれません。

「MaaS(マース)」というと、未来の交通サービス「CASE(ケース)」によるものと思いがちですが、ライドシェアなどの新しい移動サービスに加えて、既存の交通公共機関も最大限活用します。なお、「CASE」とは、「Connected」、「Autonomous」、「Shared & Services」、「Electric」の略で、ダイムラーのディエター・チェッチェ会長が2016年のパリモーターショーで提唱して以来、クルマ業種に根付いています。

「MaaS」を簡単にご紹介すると、自家用車を使用(保有)せず、複数の交通公共機関などを組み合わせて効率良く移動するだけでなく、決済(支払い)も一度ですむだけでなく、アプリでタクシーや相乗りバスなどの予約も可能であること。現在の日本でも複数の交通公共機関を検索するアプリがありますが、予約や支払いなどが一発で終わるというのはほとんどないはず。さらに「MaaS」には運送、輸送も含まれていて、あらゆる「移動」をシームレスにつなぐという考え方といえます。

「MaaS」は、自動車メーカーはもちろん、国や地方自治体、交通公共機関だけでなく、不動産会社など多くの業界が参入できるのが特徴で、アプリ開発も国が後押しするなど、日本でも東京オリンピックに向けて急発進していくと考えられます。

さて、モネ・テクノロジーズによる「MONET Technologies」設立により、計88社(2019年3月28日時点)の企業が参加。鉄道会社や自動車部品メーカー、電機メーカー、保険会社や大手ドラッグストア、飲料メーカー、スーパー、大学、旅行代理店、商社、警備会社、まで実に多種多様の企業が参加しています。

さらに、日野自動車、ホンダがモネ・テクノロジーズに資本・業務提携し、MaaS事業の価値向上とモビリティサービス利用者のサービス向上を図るとしています。

(塚田勝弘)



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