第11弾となる等身大インプレには、新型プリウスPHVを選びました。
EV化が世界的なトレンドですし、以前試乗した新型C-HRと同様に、メーカー系レンタカー店がラインアップしていたのでエントリーした次第。先代プリウスPHVと比べ新型では、EVと走行性能の大幅な向上が売りですから、今回の試乗ではEV走行を中心に紹介したいと思います。
レンタカー店に用意されていた白い新型プリウスPHVは、燃料電池車ミライ譲りの8連LEDヘッドライトが精悍。最新プラットフォーム「TNGA」が高いボディ剛性を実現しており、フロントドアの「ドン」という閉まり具合からも伺い知ることができます。インパネには、ボディ同色のホワイトパネルと超大型ディスプレイを採用して、華やかさと先進性を両立しています。
リアシートは2人掛けと割り切り、専用のひじ掛け等で上質な空間を演出。荷室は、床下に設置した大型駆動用バッテリーのために床面が底上げされており、EV性能とトレードオフの関係が見て取れます。
新型プリウスPHVの充電方法は、AC100Vと200V、急速充電の3通りが可能。急速充電なら約20分で約80%の充電が可能なので、今回はEV走行のポテンシャルを試すべく、急速充電設備を備えるイオンモールの多い千葉方面に出掛けることにしました。
レンタカー店でパワーオンすると、満充電の新型プリウスPHVはインパネから全身に電力を行き渡らせるように静かに起動します。エンジンは、ウンともスンともいいません。標準のエコドライブモードの状態で軽くアクセルを踏むと、クルマは歩道の段差を柔らかくいなして路上へ出ていきます。
街中ではEV走行が素晴らしく、最新の高剛性プラットフォーム「TNGA」と入念な防音対策が効いて、静かに滑るように巡航します。信号からの発進や追い越しでも、モーターの無振動かつレスポンスとトルクの効いた走りを披露。まさに「静粛・円滑・トルクフル」の3拍子が揃い踏みなのですネ。「これは上質なパワーユニット。先にレクサスブランドで出しても良かった!?」と感じるほどでした。
ただ路面の整った市街地から幹線道路に出ると、路面の影響を受けやすくなりました。エンジンの音と振動がない分、荒れた路面ではロードノイズが耳についてしまうのですネ。タイヤは国内メーカーの標準的なエコタイヤが装着されていましたが、300万円超の高額車としてはいささか寂しいチョイス。おそらくタイヤをグレードアップすれば、ロードノイズは改善できると思います。
新型プリウスPHVは、EV航続距離が68.2kmと先代比で約2倍近く伸びていますし、デュアルモータードライブによりパワーアップしているので、都内を流す距離と負荷くらいではまだHVに切り替わることはありませんでした。そこで、首都高速に乗り入れて、高速域でのEV走行を試します。
(星崎俊浩)
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