8月26〜27日に三重県鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT第6戦「第46回 インターナショナル SUZUKA 1000km」。このレースはSUZUKA 1000km FINALとも銘打たれ、51年46回の長い歴史を誇る鈴鹿1000kmレースの最後の開催でもありました。
ポールポジションはVivaC 86 MC。予選ではQ1をギリギリ通過で、やはり82kgのハンデウエイトは辛いのか?と思わせましたが、Q2では山下健太選手がトップタイムをマーク!
82kgのハンデウエイトを押しのけて、堂々のポールポジションを獲得しました。
ウェイトハンデといえばグッドスマイル 初音ミク AMG。ドライバーズランキング首位で臨んだ鈴鹿1000kmでは100kgのウェイトに性能調整の25kgのウエイトを積み、これだけで車重が1400kg。ガソリン満タンでは市販のAMG GTと変わらない重さとも言われます。しかしこの重さでありながら予選4位!
オープニングラップから快調に走るのはVivaC。そこに続くのはUPGARAGE BANDOH 86とマッハ車検 MC86 GTNET。
予選上位を独占したマザーシャーシの86勢。予選順位どおりの順番でレース序盤は進みます。
このレースではピットイン義務が5回となっており、どのタイミングでピットインするか、そしてそのピット作業での作戦はどうかというところにも注目が集まっていきます。
なんと1周目にピットインをしたのはLEON CVSTOS AMG。給油もタイヤ交換もなしにドライバーチェンジだけでピットアウトします。これにより残り4回のピットインのタイミングは他のチームとずれるためにピットでの混雑を避けることができ、アドバンテージを取りやすいというメリットがあります。1000kmという長丁場だからこその作戦といえます。
数台のマシンが10周目までに1回目のピットインを終える作戦を取る中、その他のチームは30周前後にピットインを行います。予想周回数をを160周前後と設定した上で6等分した周回数でのピットインとなります。
このピットインでもチームによって作戦は様々で、タイヤ交換を2スティントに1回とするチームもあり、VivaCなどはこのような作戦でウェイトハンデを埋めていきます。
レース中盤、ウエイトハンデの少ないマザーシャーシのUPGARAGEがトップに立つなど、マザーシャーシ優勢な様子となっていました。40周目にセイフティーカー(SC)導入となり一瞬でそれまで築いたマージンが消えてしまいますが、それでもトップを死守。
しかし89周目にTOYOTA PRIUS apr GTの31号車がクラッシュし再びSCとなるタイミングで、ステアリングが効かなくなったUPGARAGEはピット閉鎖中にもかかわらずペナルティ覚悟でピットイン。SC中に修復してレースに復帰しますが優勝争いからは外れてしまいます。
レース後半はタイヤ2スティント作戦のVivaCと、実質4回ピット作戦のLEONがピットインのたびにトップを入れ替えるというバトルを繰り返して行きます。
5スティント目にトップを獲り、そのまま大きなアドヴァンテージを築いていった山下健太選手から、最後のスティントを松井孝允選手に託したVivaC。
しかし路面温度低下にタイヤがマッチしていなかった様子で、VivaCはタイムがいまひとつ伸びません。そこに徐々に追いついてきたのがLEON。ラスト10周でVivaCを抜き去ることに成功。そのあともVivaCはLEONを追いかけることができず、2位を安定させるかの様に見えましたが、ラスト4周で痛恨の横転クラッシュ!ドライバーの松井選手は無事でしたが2位の18ポイントも失ってしまいます。
この時点で存在感を示したのがランボルギーニ勢。VivaCの戦線離脱のおかげで2位と3位を獲得します。
優勝はLEON CVSTOS AMG。この優勝でランキングトップの52ポイントを獲得。ランキング2位はグッドスマイル 初音ミク AMGの50ポイント。そしてランキング3位にVivaC 86 MCが42ポイントと続きます。
次戦は唯一の海外戦、Chang SUPER GT RACEとして10月7〜8日にタイのブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで開催されます。シリーズポイントの行方を見届けるためにも重要なレースとなります。
2018年のSUPER GT鈴鹿戦は300kmフォーマットでの開催となります。伝統の鈴鹿1000kmはこのレースでファイナルとなりますが、2018年からはもっとスケールアップした10時間というレース時間のSUZUKA 10 HOURSとして生まれ変わります。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)
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